● 2005/10 キャストして広く探る! ●

 このところ夏の陽気に誘われて、harukaの大好きなムラソイばかりを追いかけていた。さすがにちょっとばかり食傷気味で、たまには目先を変えてカサゴでも狙ってみようということになった。

 この時期のカサゴは、夜だけではなく昼間でも十分に楽しめる。だけどムラソイ狙いで攻めつくされている場所は、狙ってもほとんど反応のない場所が多い。

 そこで今回は、目先を変えてキャスティングで広く探ってみることにした。足元は穴釣りで探り続けられているから、ルアーアングラーの特徴を活かして、スプリットショットリグで沈み根を狙うんだ。

 この日のポイントに選んだのは、伊豆半島の東側付け根にある、沼津周辺のゴロタ場だ。東伊豆は低気圧の影響からか、わずかながらウネリが入っていた。カサゴはウネリの影響を受けて、捕食への反応が悪くなる。だからウネリの影響が少ないエリアを、今回は選んでみたというわけなんだ。

 沼津方面の釣り場は、有料駐車場の整備がしっかりしている。東伊豆で駐車場探しに苦労することを考えると、個人的には安心できて釣りに専念できる。いつものように駐車場で500円を支払って、さっそくタックルの準備に取り掛かった。

 今回はロックフィッシュ用のロッドを使い、ラインはPE5ポンド、リーダーには12ポンドのフロロを準備した。同行のharukaも、同じようなタックルを使う。いずれのロッドも、藤沢のマイルストーン特注のロックフィッシュロッドだ。

 広範囲をキャストして探るため、根掛かり対策を考慮したリグが必要になる。ボクとしては当然のようにスプリットショットリグを選び、リーダーの先には「がまかつWORM315の#4」を結んだ。ワームはスレているエリアであることを考え、パワーシラス3インチをセットした。

 まずはゴロタ場に下りていき、足元の岩陰にリグを沈めてみた。予想通り、足元からは反応がない。すぐに足元は諦めて、さっそくスプリットショットリグを遠投する。遠投といってもショットは3gほどなので、15〜20mほどの範囲を探る。

 この日は右から左(湾内へ入り込む方向)の潮流が強く、水深4mほどに着底するのに時間がかかる。流れの上流に向かってキャストし、20秒ほどで着底を確認。その頃にはラインがかなり流されており、最初は鋭くロッドをあおり、わずかだがラインのタルミを取り除く。

 ゆっくりとズル引きすると、海底をショットの転がる抵抗が感じられる。間違いなく着底していることは確認できた。ここで小さくバンピングさせてみる。潮流の速いときに大きく跳ね上げると、あっという間にリグは浮き上がって大きく流れてしまうからだ。

 再びゆっくりロッドで引いてくると、岩の間へ沈んでいく感触が伝わってきた。そのままロッドを寝かせながら、岩陰へとリグを送り込んでみた。するとカサゴ独特の「コンコンッ!」というアタリが伝わってきた。軽く送り込んでから、ロッドを大きくあおるとフッキング。

 一気にリールを巻いて、岩陰から引きずり出した。わずかに根ズレしているけど、ここは強引に抜き出してやる。無事に抜き上げたカサゴは、まずまずの23cmだ。かなり痩せているのがきになるものの、深場から上がってきたように赤みのある体色が印象的だった。

 その後はさらに潮流が速くなり、この場所での釣りはとても無理。仕方なく潮裏になる岸壁上からキャストすることにした。足場が高いものの、ここの眼下にはゴロタ場が広がっている。ここでも足元では反応がなかった。

 ちょっと遠くにはカケ上がりがあり、その先には沈み根がたくさん見えている。その周辺を集中して探ることにした。ここでも同じようなパターンで、岩をなめるように探ってやる。岩陰にリグが来たらロッドを寝かせて送り込む。

 同じパターンでさっそくアタリが来て、一気にリールを巻いて抜き上げた。20cmを欠けるサイズだけど、やっぱり赤みのあるカサゴだ。同じ場所に群れているのか、立て続けにヒットしてくる。ここではharukaも無事にカサゴをキャッチして、まずは満足の笑みがこぼれた。しいて言うなら、カサゴが小型すぎる。

 岸壁のカドでharukaと並んで、しばらくはこのカサゴのアタリを楽しんでみた。さすがにこのエリアのアタリも少なくなってきたので、この日の釣りは終わりにした。

 片付ける直前になって、harukaが海面に群れているイワシの群れを覗いていた。ところがサングラスをリールのベールに掛けてあり、そのまま海の中へ・・・。


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