● 2005/05 しっかり潜らせてじっくりと・・・ ●

 インターネットを通じて知り合った千葉の友人から、メバル好調との情報をもらった。今シーズンはメバルが不調という声が多く聞かれる中で、穴場的なポイントだという。漁港周りは多くのアングラーに叩かれているので、サイズアップを望むのなら磯絡みのポイントが確率的にも良くなっているらしい。

 今回は磯や外海の影響を受けている漁港を中心に、徹底したミノーイングで居着きを拾いながら探り歩く方法を採ることにした。小型には目をくれず、20cm以上のサイズをラン&ガンでキャッチしたい。

 まだ明るい時間帯に内房の釣り場で待ち合わせ、無事に合流してから状況の説明を受ける。かなり水深の浅い磯なので、明らかに暗くなってからの釣り場だ。沖からのスリットがあり、どうやらそこを通って磯際に集まってくるようだ。

 夕マヅメは他の場所で楽しんでから、暗くなる頃に再びその磯に戻ってきた。昼間のうちに足場を確認しておいたが、平磯なので足場は堤防での釣りと大差ない。近くの漁港にある常夜灯の明かりもあるし、月明かりで足元はよく見えているので安心だ。

 夕マヅメ以降の早い時間が、ちょうど満潮に近くて接岸が期待できるようだ。この場所はかなりのピンポイントらしく、釣れる場所と釣れない場所がハッキリしているらしい。ところがキャストを続けても、魚らしい反応はまったくない。

 徐々に潮が下げ始めて、水面下に生い茂っている海藻がフックへ絡みつき始めてきた。これ以上の潮位に下がってしまったら、釣りそのものが成り立たなくなってしまう。そう思っていた直後、いきなりLT-590H/Sを絞り込むようなアタリがやってきた。

 腕を伸ばしてロッドを立て、海藻に魚が絡みつかないようにリールを巻き始めた。引きの感じから判断すると、おそらく20cmはあるだろうと思われた。ところが手前の海藻に引っ掛かったようで、結局そこでフックアウトしてしまった。

 その後は一気に潮位が下がり、ここでの釣りは断念することになってしまった。そこで本来のこの時期にボクが行なっているスタイルでもある、居着きをラン&ガンで拾う移動中心の釣り方に切り替えることにした。居着きのメバルは、他の人に抜かれていなければ、ほぼ確実にヒットに持ち込める。

 そのまま内房から南房へと、一気に車を走らせた。沖では適度に水深があり、岩場と海藻帯が関係している場所を考えた。そして南房の小さな堤防を選んでみた。このあたりまでくると、この日の強風が強烈に吹き荒れるようになっていた。

 実はこの強風がクセモノで、風によって波がどんどん押し寄せてくるのだ。堤防には波が打ち付けて、その外海側ではとても釣りができる状態ではない。仕方なく風を堤防で避けながら、その港内側を狙ってみることにした。

 しかし港内側も風でシャローランナーのストゥープ50SRは浮き上がってしまう。ラインが風で押し上げられて、そのまま水面からルアーが飛び出してしまう。こんなときにジグヘッドリグなら扱いやすいが、今回はあえてミノーだけで挑む。

 そこで確実に水を噛みこめるように、オフセットリップのシーフォックスを選んでみた。多少の風と波があっても、これなら水面下を確実に泳いでくれるようになった。これなら何とかなると判断して、堤防先端の風裏側にできている渦の際を、このシーフォックスで探ってみることにした。

 答えはすぐに出た。いるべき場所には、やっぱりメバルも居着いてくれていた。ファーストキャストでいきなりロッドが絞り込まれた。波を嫌っていたのだろうか、下から飛び出してきて、ルアーを口にして一気に潜っていった。

 風でできた渦から引き離し、そのまま一気に堤防の上に抜き上げてみた。キャッチしたメバルは、まずまずの24cmだ。このサイズが居着きで釣れるから、やっぱり拾い釣りって楽しい。

 その後は他の場所へ移動して、彼の居着きポイントでも、予定通りに24cmをキャッチしていた。徹底した居着き場所を探しての攻略は、メバル釣りの醍醐味といってもいいだろう。小型の数釣りも楽しいけれど、苦労しながら足で稼ぐメバル釣りも面白い。

 その後も最初の磯に戻ったが、潮位の高くなったポイントからでも、満足のいく釣果は出せなかった。このあたりの居着き場所の変化が把握できるようになれば、更に確率の高いゲームを展開できるだろう。今シーズンは、春までこの居着きをミノーで探り歩きたい。


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