2026.03.01  早春エギング

Report by  T-Ya


イカ前線

 真冬の水温が低い時期にアオリイカを釣るのはなかなか難しい。1月末に南紀に行った時には暖かい黒潮の影響を受ける本州最南端に近い地磯を選んで釣行し、無事に釣果を得られた。それから1か月経って水温の上昇とともに南紀でアオリイカが釣れる地域が北上しており、中紀あたりでも釣果を聞くようになった。まあ前回同様南紀に行っても釣れるとは思うが、釣れ始めた地域に行った方が活性が高いイカに出会えるような気がする。イカ前線北上により釣り場が近くなるのは嬉しいが、その分釣り人も増えるので良いことばかりとも言えないが。

 というわけで今回は最南端よりも50kmほど手前にある地磯を選択。前日からのうねりが少し残っているようだが、内湾なので問題は無いだろう。狙いの地磯は足場が良く釣りやすいので人気がある。もしその場所が空いていない場合は更にその先にあるポイントまで足を延ばさないといけないが、途中に難所があるので出来れば避けたいところだ。

難所で冷や汗

 場所取りも兼ねて早めに出発し、午後3時に到着。ヒップウェーダーを履き、崖下に露出した地磯伝いに釣り場へ向かう。満潮前でところどころ水没しているので慎重に歩を進める。しばらく進んで崖を回り込んだところで狙いの地磯が見えるところに到達。すると先行者2人が既に入っていた。う~ん残念、まあ仕方がない。手前でも釣れないことは無いが、水深のあるもう一つのポイントへ向かうことに。

 2人に軽く会釈して横を通り過ぎ、ほどなく難所に到着。難所というのは崖下が洞窟のようになっていて、潮位が高いと奥まで水没して通れなくなる。以前来た時に通れる潮位をチェックしていたのでこの時間ならまだ大丈夫なはず・・・う、全然アカンやん。全く通れるとは思えないほど水深がある。困った。通過をあきらめて2人のいる場所に無理やり入れてもらうか。ふと顔を上げて2人の居る方を見ると、2人ともじっとこちらを見ているではないか(汗)。見世物じゃないョ。さあどうする。恥を忍んですごすごと引き返すか。

 あらためて洞窟の底をよく見ると、足が届きそうな気がして来たので恐る恐る片足を入れてみる。すると足が届いた。海面がウェーダーの上端ギリギリ。波が来ないうちに思い切ってもう一方の足も入れ、そのまま勢いを付けて対岸にぶら下がっているロープを掴む。すぐさま対岸側の底にある岩に乗って水没の危機は回避。ロッドを置いて両手をついてずり上がって渡渉に成功。2人の方は振り返らずに、さも慣れているかのようにスタスタと歩いてその場を後にした。だが実際は汗びっしょり(笑)。

アタリは1回

 その後もう一つの洞窟と、ゴロタ場や起伏のある岩場を越えて、広い平磯に到着。ここに来るのはちょうど10年ぶりで色々忘れているので、明るいうちに周囲の様子をチェック。万一津波が来た場合に崖の上に登るルートも確認した。まだ日没前だが東の空には月が顔を出している。時折ウミガメが浮上して泳いでいるのも見える。そんな景色を眺めながら一休みして、暗くなる前に釣り開始。

 風は弱く、絶好のエギング日和。だがアタリはなく、やがて日が沈んだ。この時間帯にアタリが来るはずと集中するが、反応なし。夕間詰めを過ぎて暗くなると、手前のポイントにいた2人は帰ってしまった。釣れたのだろうか。

 そして午後8時ごろ、諦めずにしゃくり続けてアタリを待っていると、スッとテンションが抜けた。これはアタリ?とすかさず合わせるとヒット!まずまずの引きだ。慎重にギャフ入れしてランディング成功。900gの良く太ったアオリイカだった。この日はダメかと思っていたが、何とか釣果にありついたので喜びもひとしお。

 その後はアタリなく、少し早めだが翌日は仕事なので終了することにした。帰りの崖下はすっかり潮が引いており、行きの苦労は何だったんだと思うような変わりようで、暗い中をそろそろと歩いて駐車場にたどり着いた。

 苦労した割に一杯しか釣れなかったが、まあこの時期は全く釣れないことも多いので、一回だけのアタリを捉えて釣れたのは良しとすべきだろう。この先、春イカ狙いはあまり気が進まないので今シーズンのエギングはこれで終了。来シーズンはどうかたくさん釣れますように。