「ライトタックルの必要性」



        

最近何か変じゃない?!

 ボクは決してライトタックルの釣りしかやらない訳じゃないんだよ。でも、
周りが意識してるんだか何だか知らないけど、やたらライトタックルルアーを
否定する記事を書く人が出てきている。シーバス、マゴチ、ヒラメといった魚
種を中心に、慣れていて条件を知っている人にしか確実に釣れるとは言い切れ
ないターゲットを狙うのがルアーだって。でも、ちょっとよく考えてみてよ。
確かに日本のソルトルアーはシーバスを中心に盛り上がってきたよ。だけど、
シーバスだけだったらこんなにソルトルアー人口って増えなかったはずだよね。
たくさんの仲間が増えてきたのだって、ライトタックルルアーの手軽さがあっ
たからこそだとボクは思っているんだよ。               

 みんなが比較的ヒット率の低いターゲットばかりを紹介していたら、これか
らルアーを始めようっていう人にとっては、物凄く狭い門だって事なんだよね
。ボクたちフィッシングライターがみんなでそんな記事ばかり書いていたら、
ルアーそのものの可能性だって否定することになるんだよ。例えば伊豆半島は
メッキやカサゴなどの小物しか釣れないなんて事はない。そんな事はライター
やってる人なら誰だって知ってるよ。もちろん自分でもた〜くさん釣っている
しね。ボクは宣伝するほどの必要性をボクは感じていなかった。  
    

何が必要なの?

  初心者に大切なのは、とにかくルアーで魚を釣ることなんだよ。ひとつの釣
りしか出来ない人って、結局他のターゲットを釣るときに応用が効かなくなる。
しかも、ヘビーなタックルばかり使っているから、繊細なアクションテクニッ
クなんて絶対身に付かない。とんでもなく腕力に自信のある人ならともかく、
通常の体力であれば10ftクラスのロッドを繊細にアクション付けながら振
り回すなんて不可能だろう。ルアー自身のスイミングで魚を釣ろうナンテのは
おのずと限界があるし、ルアーって言うのはアングラーの石で操作できる余裕
を持たせて作られているものなんだ。エサじゃないんだから! ルアー任せ、
釣れてる情報まかせの釣りだったらつまらないでしょう? もっと自分で考え
なけりゃ。                          
           
 何度も言うようだけど、ルアー人口のかなりの割合は、それほど満足に魚を
ヒットさせたことの無い人が多い。もちろん全く釣れない訳ではないだろうけ
ど、自分の戦略で思った通りにある程度をこなせる人はホントに少ないんだよ。
ボクが言いたいのはそこなんだ。ろくに魚を釣ったことも無いのに、いきなり
ヒット率の低いターゲットばかり狙っていたって、いつまで経ってもルアーマ
ンとしての、いや、アングラーとしての感性が研ぎ澄まされる事はない。だっ
て、魚が釣れないのに釣りやってたって面白くないでしょ。所詮は釣りなんだ
から、ロッドを振れるだけでいいなんて思ってたら。いつまで経っても上手に
ならないよ。                         

    

これから必要なのは数多くの経験だ!

 無理する必要はない。とにかくソルトルアーを始めて間もない人なら、魚を
釣ることを考えようよ。できるだけたくさんフィールドへ出て、とにかく色々
なターゲットを釣りまくって様々な経験をするんだ。たくさんの経験をすれば、
いつの間にか海の魚独特の生態も見えてくるだろうし、季節感だって分かって
くる。雑誌だけの受け売りじゃなくて、自分で四季折々のターゲットだって見
つけられるようになる。大物指向に走るのだってそれからでも全然遅くないん
だよ。いっぱしの口をきいてる割に、魚をヒットさせてから自分が主導権を握
れないようなアングラーにならないためにも、ひとつの魚種にこだわらず、た
くさんの魚種と知り合えることも大切なんだよ。          

 少なくとも他のライターが書いた記事を否定するような記事を、魚を釣るた
めのテクニックを紹介している記事の中に平気で潜り込ませるようなのはダメ
だ。いくら本当に魚を釣っていたとしても、人間的に信じられない。だって魚
を釣りたくてアナタの記事を読んでる人には関係ないでしょ、そんなこと。読
者に失礼なんだよね、そういうのって。             

 中級以上のレベルにあるアングラーや、年に1尾でもいいからって夢の大物
を追い求める人がそういった記事を読んで納得すれば良いんだよ。どちらかと
いうと、ボクは初心者アングラーにどんどんソルトルアーにはまって欲しくて
記事を書いている。少しでも魚をルアーでヒットさせることの感激を味わって
欲しいんだ。ベテランアングラーのために記事を書いてるんじゃないからね。
                            

ライターも読者層を考えて記事を書こう!

 大切なのは、自分の記事をどんな人に読んで貰いたいのかを考えて書くこと
だよね。正直言って、ベテランよりも初心者から中級までのためにあるのが釣
り雑誌だと思う。ベテランは自分の知識の中でどんどん開拓していくでしょ。
 ボクはどっちかって言うと、釣りを始めて間もない人とお付き合いすること
が多く、どうやったら釣りの感覚の研ぎ澄まされてない人にも釣らせて上げら
れるかを考えている。せっかくソルトルアーの門を叩いてくれた人に、いきな
り釣れるかどうか保証のできないターゲットばかりを薦められないもんね。そ
れだったら、そんな人達のためにも、タイミングに応じて何かしら釣れるター
ゲットと釣り方を常に自分の中に持ち続けておきたい。      

 何しろ魚を釣って嬉しい、これからもルアーフィッシングを続けたいと思わ
せるような経験を、1人でも多くの人達に味わって欲しいだけなんですよ。彼
ら自身が大物指向になるのならそれでもいい。ルアーで面白いのはヒットさせ
るまでのプロセスを楽しむことだよね。もちろん他の釣りでもそうだけど、強
い引きを楽しむだけならルアーを使う必要もないしね。      

 まあ、いずれにしても、大物指向はそれなりの知識とテクニックを持ってか
らでも遅くはないよね。それが魚に対しての最低限のマナーなのかも知れない
よね(^^)