一般人と釣り人の感じ方の違い |
Report by Taka
家の近くに那珂川遊水園と言う水と緑をテーマにした公園が出来た。あの鮎釣りでも有名な那珂川沿いである。その遊水園の中にちょっとした水族館があり、大人600円で、那珂川の上流から下流へと住み分けされた魚を展示したり、ちょっとした海の魚も展示されている。規模的には品川水族館や、サンシャイン水族館等の物に比べれば何とも言えないアットホームな水族館である。
[釣りをしない人たちにはよく見えない変化]
さて、何を感じたかというと、私たち釣り人と言うのは、釣りを通して水辺の環境の変化を見る機会というのが圧倒的に多い。誰しもが感じるが、あ、ここってこんなに変わったんだと言う変化である。
去年来たときはこんなになってなかったのに・・・と言う早さで変わってしまう事も多々有る。これは、私たちでは良く解ることだが、釣りをしない人たちにはよく見えない変化だと思う。さて、これが何か?と言うと、害魚問題。最初に出てきた那珂川遊水園に行ったときブラックバス、ブルーギル、ライギョ(タイワンドジョウ)の3種類が同じ水槽に入っていた。釣りをする人間にとって行動を観察するにはもってこいのシチュエーション。当然水槽を凝視する時間は、他の魚より長くなる。この時である。年輩の方々の会話がちょっと気になった。「最近これが騒がれてるブラックバスか!なんでも食ってその沼とかの魚を絶滅させるんだろ。まえ、テレビでやってたもんなぁ・・・云々」耳が痛いと言うか、誤解を受けている。
[バスが食い殺した・・・]
確かに私たち釣り人が全国に広げたのは間違いない。近くで釣りたいと言う考えで広がっていった。そして、新潟の銀山湖に入ったことで、一躍お茶の間のスターダムへとのし上がっていった。ライギョだって、本当は台湾から食用として輸入され、最初は爆発的に増えていったが、環境の悪化と、水質悪化と言うタブルパンチで生息地を縮めていった。そのほかでも、ギンブナが減ってきていると言われるが、これは、環境による物で有ると言うことがはっきり言えている。産卵するヨシや、アシと言った水辺の植物が減ったことと、水質悪化による物と言うのがだいぶ前に調査結果で解った。が、しかし水質悪化という言葉は今は消えてバスが食い殺したという言い方が強まっている。確かにバスは他の魚を食べる。自分が産んだ子供すら食べる。これは、どんな魚でも一緒で、レインボーだって、イワナだって、小魚を食べる。この事実を歪めることは出来ないし、そろそろ本当は何がいけないのかを正す必要が有ると思う。まず、私たち釣り人が出来ることは、釣り場のゴミを徹底して持ち帰ること。ゴミを捨てないこと。この2点を重点的に行う必要が有る。
[レッテルをはがしたい]
ルアー、フライのみでなく釣りをする全ての人々に言えることだと思う。そして、ちょっとずつで良いから、雑誌や、新聞等のメディアで本当の報道をして貰いたい。バスは本当に害魚なのか?環境破壊されている今と言う現状を無視してはいけないと思う。神田川に何故鮎が戻った?鮎が戻ったことだけに目をとらわれてはいけない。何故減って現在増えたことを喜んでいるのか?
全ての流を知らなければダメだと思う。断片的に知れば必ず事実は歪められて伝わるだろう。それだけは、避けていきたい。これから先、子孫に良い釣り場を残す事とバスという魚に貼られたレッテルを
はがしたい。